
米フィンランド会談に見る北極戦略と世界秩序の再編
今日のテーマは、ホワイトハウスで行われたアメリカとフィンランドの首脳会談です。表向きは経済・安全保障協力の強化ですが、背景には北極圏をめぐる戦略的思惑が見え隠れしています。
1.再氷船の大型取引―北極圏覇権をめぐる駆け引き
アメリカはフィンランドから11隻の再氷船(Icebreaker)を購入し、共同建造することで合意しました。フィンランドで4隻、アメリカで7隻を建造する計画です。
フィンランドは世界の再氷船の約60%を建造し、80%を設計している国。港がすべて凍る環境の中で、100年以上にわたって技術を蓄積してきました。一方アメリカは広大な海域を抱えながら再氷船を1隻しか保有しておらず、北極航路の維持に課題を抱えています。
この取引は、単なる経済協力ではなく、北極圏の資源・航路をめぐる覇権争いにおける布石です。アメリカはフィンランドの技術を取り込みつつ、グリーンランドや北極圏全体での存在感を高めようとしています。
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