【BOOST UP WORLD】OIC緊急外装会合ー9/3

沿って | 2025年9月3日

OIC緊急外相会合とサウジアラビアの存在感

先日、サウジアラビアのジェッダでイスラム協力機構(OIC)の緊急外相会合が開かれました。参加したのはなんと57カ国。日本の首相が呼びかけてもこれだけの国が一堂に集まることはありません。これだけでもサウジアラビアが今どれほど大きな影響力を持っているかがわかります。

イスラエルへの厳しい姿勢

今回の会合で話し合われたのは、イスラエルに対する包囲網の構築でした。ガザの封鎖やパレスチナ住民の強制移住、大量虐殺など、国際人道法違反を繰り返すイスラエルに対して、各国が強い非難を表明したのです。

従来は「非難声明」で終わることが多かったのですが、今回は法的措置や制裁に踏み込んだ点が大きな変化です。即時停戦、人道回廊の無制限な開放、経済制裁、さらに「国連からの追放」まで求めています。

大イスラエル構想と地域の反発

イスラエルには「大イスラエル構想」と呼ばれる考え方があります。エジプトのナイル川からイラクのユーフラテス川までを自国領とみなすというものです。当然、その間に位置するシリアやレバノンなど周辺国は強い危機感を抱いています。

今回のOIC会合は「その構想を絶対に許さない」という強いメッセージとなりました。単なる外交的な抗議を超えて、現実的な制裁に踏み出す流れが生まれています。

サウジアラビアとイランの協力

もう一つ注目すべきは、長年対立してきたサウジアラビアとイランが同じテーブルに着いたことです。2019年には国交を断絶していた両国ですが、今回の会合では「イスラエルに対抗する」という一点で足並みを揃えました。

もちろん、イランは「徹底的に攻撃すべきだ」と強硬姿勢を示す一方、サウジは国際法を重視して制裁で追い詰めるという立場の違いがあります。しかし、少なくとも「イスラエル包囲網」においては協力する方向に動いたのです。

アブラハム合意からの転換

ここで思い出されるのが、2020年にトランプ大統領の仲介で結ばれた「アブラハム合意」です。UAEやバーレーンなどがイスラエルと国交正常化した一方で、サウジはパレスチナ問題を理由に参加を見送りました。しかし米国とイスラエルとは密接な関係を維持してきました。

ところが今回は、そのサウジが自ら57カ国を集め、イスラエルに厳しい態度を取った。これは地域外交の流れが大きく変化したことを示しています。

まとめ

パレスチナ問題は今や中東全体、そして国際社会全体を揺るがす焦点になっています。OICの動きは単なるイスラム諸国の声明ではなく、実際に制裁や国際法的な行動に踏み出す「実効性」を帯び始めました。イスラエルの孤立が進むのか、それともアメリカの支援で突破口を見出すのか。いずれにしても、中東の力学は大きな転換点を迎えているといえます。

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