インドがロシア産原油の輸入停止を決断
今回の国際情勢では、ロイター通信の独占報道として伝えられた、インドとアメリカの電撃的な貿易合意について整理します。
インド政府は、ロシアからの原油輸入を停止することを決断しました。 これに伴い、アメリカはインド製品に対する関税を大幅に引き下げる方針を示しています。
トランプ大統領とモディ首相による電撃合意
2026年2月2日、トランプ大統領とインドのモディ首相は、包括的な貿易協定に合意したと発表しました。
この合意の柱は以下の点です。
- インドによるロシア産原油の輸入停止
- 米国によるインド製品への関税の大幅引き下げ
- インドが米国製エネルギー・技術・農産物を5,000億ドル以上購入
これにより、インドは事実上「バイ・アメリカン」路線へ大きく舵を切った形になります。
ロシア経済への致命的打撃
インドはこれまで、ロシア産原油の最大級の購入国の一つでした。 インドの原油輸入に占めるロシア産の割合は、約36%に達していたとされています。
この輸入が停止されることで、ロシアの国家予算の30〜40%を占めてきたエネルギー収入が激減します。
ロシアはこれまで、欧州からのエネルギー制裁を、中国やインドを経由した迂回輸出で補ってきました。 しかし今回の決定により、その「制裁回避ルート」が事実上遮断されることになります。
ウクライナ戦争を終わらせるための経済レバレッジ
トランプ大統領は就任当初から、ロシア・ウクライナ戦争を早期に終結させると公言してきました。 しかし、軍事的圧力だけでは戦争を止めることはできませんでした。
そこで使われたのが、経済を通じたレバレッジです。 ロシアの戦争継続能力を、物理的ではなく「経済的に破壊する」戦略が本格的に動き出したと言えます。
ロシアの収入源を断つことで、戦争を続ける余力そのものを奪う。 今回のインドの決断は、その核心部分に位置しています。
関税引き下げと技術移転
今回の合意では、インド製品に対して課されていた相互関税が、約50%から18%へと大幅に引き下げられます。
また、ロシア産原油取引に関連して課されていた、懲罰的な25%の追加関税も完全撤廃されました。
さらに、アメリカはインドに対し、防衛分野やハイテク産業における技術移転を進める方針を示しています。
市場の反応と今後の中東情勢
この発表を受け、インドの株式市場は急伸しました。 投資家は、米国市場へのアクセス改善を強く好感しています。
また、インドはイスラエルと緊密な関係を持つ国でもあります。 インド・アメリカ・イスラエルという枠組みが強まることで、今後はイラン情勢や中東全体にも影響が及ぶ可能性があります。
戦争を止めるための新しい形
今回の動きは、武器や軍事行動ではなく、エネルギーと貿易を使って戦争を終わらせようとする試みです。
トランプ政権が、ロシア・ウクライナ戦争に本格的な「終止符」を打とうとする動きは、今後さらに加速していくと考えられます。